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MIHO MUSEUM/滋賀県甲賀市

美術館棟の正面入り口。
私達は飼い慣らされて、行楽地の食べ物は不味くて当たり前だと思っている。
だが!閉ざされた空間たるテーマパークで、高いは不味いは、
持込まで禁止されるに及んでは、クーデターをおこしたくなるのは私だけだろうか?
そろそろ、そのレストランで食べたいが為に、そのテーマパークに行く。
そんな店が出来ても、良い頃だと思うのだけど。

滋賀は信楽、山、山、山、折り重なる山々の山襞に、美術館がある。
MIHO MUSEUM(ミホ美術館)」。万人向けとは、ちょと言い難い(笑)
12月中旬まで、伊藤若冲の特別展「若冲ワンダーランド」があるので、
母と二人、初めて出掛けることにした。

語りたいのは若冲ではなく、館内レストラン「PEACH VALLEY」の方。
品揃えは少なく、うどん、蕎麦の麺類とおにぎり定食、そしてパスタ一種。
せっかくの手打ち、ざると言いたいところを、寒さで温い天ぷらうどんにする。
まずは付出と称して、自慢のオーガニック野菜が一切れずつ。
粗塩と、自家製味噌はニンニク手前味噌だったが、野菜は味が濃い。
サービスのグリッシーニはかりこりと香ばしく、この時点でお腹がほっこりしてくる。
私の分の蕪と人参を食べた後(笑)、グリッシーニは、或るグレイ風味が美味。てんぷら具材は、れんこん、万願寺唐辛子、人参、サツマイモ、玉ねぎ&菊菜のかき揚げ。
そして、手打ちらしくうどんは優しくよじれ、出汁は鰹が効いている。
手打ちそばは出汁の風味を掻い潜って、甘い香りを放ち噛締めにもしっかり応える。
精進天ぷらもさくりと旨く、油に負けずに野菜が個性を主張する。
焙じ茶がまた香ばしく、と、どれもこれも何もかも、とにかく、素材の味が旨いのだ。
惜しみない奉仕の精神…、が、この味を作り出すのだろうか。
ただ、食をプロデュースするという観点ではどうだろう?
オイルも自家製らしいので、パスタはアーリオオーリオにしたくなるのだろう。
私のニンニク嫌いをさっ引いても、和食を食べている人間にとっては酷ではないか?
せっかく丁寧に取った出汁の香りが、ニンニク臭で台無しになってしまう。
例えば、ダージリンとフィナンシェを楽しもうとしてるのに、隣で納豆を練られたら?(笑)
和食かイタリアンか。どちらかに絞った方が、素材命の演出が際立つだろうに。

自家栽培野菜より伊賀牛だー!という方にも試して頂きたいのが、豆腐。
420円もする豆腐が旨いのは当たり前、と言うなかれ、突拍子もなく美味しいのだ。
薬味も醤油も要らないが、フランベした果物でも添えれば、それだけでデザートになる。
ホームメイドパンはもっちり美味しく、クッキーも香ばしく上品だが、とにかく豆腐。
このクリーミーな豆腐のためなら、私はミホミュージアムに行ってもいいぞ。
いや、常設で若冲コレクションもあるから、さ。
    敷地内の紅葉。

お豆腐はお店で予約券がもらえるから、保冷を気にせず見学後に買えます。
美術館到着次第、パンとクッキーを買い、豆腐を予約するべし。無料ロッカー完備(笑)
入館料1000円、木材が暖かみを添えるシンプルで上品な館内。バリアフリー。
入り口対面は一面ガラスで、枝ぶりの良い松から昇る朝日が、一幅の絵画だそうだが、
山の向こうの本部の建築物がより一層、壮麗に、六曲一双さながらの趣向かな。
MIHO MUSEUMのHPはリンクポリシーを考慮し、リンクしませんが、
MIHO MUSEUM」で検索した際の、検索ページをリンクします(笑)
     





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キッチュ・ラグジュアリー/東華菜館・京都

東華菜館外観。
そもそも、お盆シーズンの京都行は、友人夫妻との恒例行事(そうなの?)
ビアガーデンに行こう!から話が始まった。
なんせ、4名の内、酒が飲めるのは私だけ。
はなはだ面白くな、いえ、酒好きならば、ビアガーデンも勝てるだろうが、ほら料理が。
それをカバーできるイベント、で捜している内、ひょいと思い立ったのが「東華菜館」。
京都四条大橋のランドマーク的中華料理屋である。
そのレトロな佇まいに心ひかれながらも、値段が解らず、入る度胸がなかった。
何せ、京都の一等地。入ったはいいが、目を剥くコースしかなかった、ならばドースル。
最近、メニュー看板が掛けられたが、どうやらランチメニューはない、ということが判明。
京都は少人数に限ると思っているのに、人数を揃えて行動するのが、これまた敷居が高い。
前振りが長いが、そうだ、その東華菜館に行こう。

ヨーロッパのクラシックホテルでしかお目にかかれない、手動式エレベーターで
ヨッコイショ(動き方がそんな感じ)と登ったのは、南座を見据えて鴨川が見晴らせる4階席。
お盆の家族団欒が多いのか、満席だ。
席予約時にニンニクの有無を問い合わせ、幹事特権で使わないようにお願いしてあるが、
中国人オーナーの北京料理だからか、元々、入れてない料理も多かった。
クラゲの酢の物。こんなにたくさんクラゲ食べたの、初めてかも。京都らしく、湯葉と野菜のくずあん揚げ鶏肉の唐辛子炒め。こういうの好きだけど、そんなに辛くない。モモ肉というのがウレシイ。エビのトマトソース。辛くないエビチリみたいなん。
青梗菜のクリーム煮。しゃきしゃきした歯応えだった。チャーハン。比較がないけど、ごつい二人前。
※画像にマウスをお乗せ下されば、料理名。クリックして下されば、大きくなります。
結構、素材や調理法を上手いことダブらせて、メニューの多彩さを演出している気がする。
だから、なるべくスープの味が変わるように選んでみた。
使い惜しみをしない材料の豊富さ。全体、シャキシャキと食感の良さが、小気味いい。
ジャスミン茶を出してくれるところが嬉しいが、土瓶で出て来るのがご愛敬。
友人・夫が何となく収まりの悪い顔をしているので、最後に餃子を注文した。
どびん(笑)と餃子。一皿950円也。
何と!子供の拳はあろうかという大きさ!
手作りだろう皮は、アンの肉汁を吸って、表面パリリで中はしっとり。
と、味わい分けられるほど、ぶ厚い。これ、一食の価値あり。

1階、待合室。
ヴォーリーズ建築の淡麗さに、キッチュな中華趣味が加味されて、高級料理店というより、
個食なんて単語がまだない、外食が一大イベントだった時代の、賑やかな宴席の懐かしさ。
派手好きだけは一向衰えない、美人さんのおばあさんって感じで、私は相当、好きだ。
一人2500円相当、盛りがSサイズてのがあれば、使い勝手がよいのにな。
最後の餃子が効いて、都路里(辻利さん)の抹茶ソフトに手が出なかった。返す返すも、無念。
東華菜館HPは、コチラ。
夏の川床も屋上ビアガーデンも席料はなく、店内と同じ物が、同じお値段で出るそうです。

ぁあ、この更新ペース......。週刊くりんこと変わらへんやん............。
もう、屋久島倉庫も在庫が切れそうやし(--)y-~~~


おやつ処・杉々堂/京都 鞍馬寺門前

鞍馬は山地だから個性が残るのか、雍州路のお茶以外にも初見の物を見付けた。
街道脇に生えてきた様なお店、その名も「杉々堂(さんさんどう)」。
コピー ~ お餅屋さん
店主は佇まいに相応しく、同じ顔をした大小のおばあさん。(大きさではなく、お歳が。)
京美人らしく上品ながら、愛想も良くててきぱきしている。
ビニール張りの丸イス(もちろん、緑色)に、デコラ張りのテーブルという正調インテリア。
うどん・そばも頂けるし、板チョコやビスコもおまっせ、いかがどす?

コピー ~ お餅
で、買ってしまったのが「シンコもち」と「山椒もち」。
シンコとは上新粉のことだろうか、向かいの店では「神虎(しんこ)もち」として売っていた。
白いシンプルなのと、お抹茶味、コーヒー味(なんと!)と三種類。
見た目も食感もういろう、みたいだった。
そして「山椒もち」は文字通り、お餅に山椒が練り込まれている。
昔の和菓子のように、きんっ(>_<)と甘いあんこに、びりびりするほどの山椒。
風味、なんてぇもんじゃない。
また食べる?と聞かれれば、草餅がいいと、答えたいところだが
あんこ抜き、醤油をつけて炙ると、すっごく美味かろうと、たった今、思いついた。
それじゃまるきり、お煎餅やん………。
(値段は、多分90円~110円くらい……。)

※ 2007年お盆頃の日記です。
   2009年8月現在、「杉々堂」については、あいにく未確認です。m(__)m
  大きい(笑)おばあ様、お元気かしら。



涼み処・雍州路/京都・鞍馬寺門前

注:) 2007年8月お盆過ぎ頃、の日記です。

コピー ~ 鞍馬の街並み
息をすれば、喉が灼けそうな熱気をはらんだ、お盆週間の鞍馬・貴船の難行苦行。
まさに陽は、頭上から照りつける真っ昼間、精進料理のお店を探して、
鞍馬寺門前を通り過ぎ、村落を彷徨う。
じりじりと肌を灼く音が聞こえそうな日照を、遮る影とてないが、
川の流れと昔ながらの家並み、軒端の用水路に心が和む。
もっと涼しければ浮き立つ景色なのだが、お店は、どこにあるのやら、
道を聞こうにも、人っ子一人、見あたらない。
いくらなんでも、このままじゃ鞍馬温泉に着いてしまう、と不安になる頃、
やっと、おばあさんお一人ゲット。
家に入られるところを呼び止めた上、かんかん照りの中、丁寧に教えて下さった。
なんのことはない。店は、鞍馬寺の山門内すぐとのこと。

目指した「雍州路」は、鞍馬寺の元・僧侶が、料理修行熱が昂じたあげく始められたそうで、
名付け親も鞍馬寺の官長と、お山に縁深いお店なのだ。
甘味を始め、1050円から蕎麦が食べられる(鞍馬の野菜が、薬味として付く)が、
手打ちでない上、2100円からの精進料理なら二階の座敷に通して貰える。
とてもはっきりと、価値観・趣向が解るシステムだ(笑)
小座敷が数室あるが、窓を三方、開け放った大広間が、お山からの風が吹き抜け心地よい。
冷房はないけれど扇風機を回せば、汗もすう、と引こう。

コピー ~ 精進料理
山かけ御飯(麦飯)、こんにゃくの刺身、ごま豆腐、ズイキの梅酢和え、
山菜(はっちく、蕨)の白和え、冬瓜の冷やし葛あんかけ、じゅん菜の葛寄せ。
白ご飯にも合う程に、味はしっかり付いてはいたが、
三杯酢や梅酢と酸味を効かせた品揃えと併せ、汗をかく夏場ならいいのかもしれない。
冷房のない部屋で頂くに相応しく、料理の温度も程よく口に涼しい、冷んやり加減だった。
お時間のある方ならば、お座敷で寛ぐ為にも、是非にこのお膳をお試しあれ。
あ~ぁ、すっかり価値観に洗脳されてしまった。

食事中にも供されたこちらのお茶は、まるで薬草を煎じた味がする。
お番茶を焙じたお茶らしいのだが、かすかな……、正露丸風味とでも言おうか。
山野草を焙じた「山の茶」とも、まったく異なる初体験の風味だったのに、
土地やお寺に伝わる物なのかどうか、聞きそびれてしまった。

※ 「雍州路(ようしゅうじ)」の値段は、2009年8月現在、変わりません。HPはここ。